2010年6月8日火曜日

塩野七生の本

『ロードス島攻防記』を読んでいたらキプロス島に行きたくなった。だから行った。
『コンスタンティノープルの陥落』に続いて、塩野七生の著作を少しづつ読み進めている。そもそも母親が特に関心を寄せて読んでいたせいで、家の本棚には多数の作品があった。あの頃は未だ関心が湧かずに、単に題名を眺めているだけだった。一番最初に手に取った塩野作品は、恐らく『ルネッサンスの女たち』。学校の宿題であった感想文を書くために読んだ記憶がある。今は内容を覚えていない。母親がかつて買い集めた本を読むたびに、母親自身がこれらの本を読んでいた時期に、何を感じていたのだろうと思いをはせるのは好きだった。過去について多くを語ることはなかった母親だったからだ。結局、私の好きな作家のほとんどは、母親の影響だ。沢木耕太郎、須賀淳子、塩野七生。母親のあの本たちはどこに行ってしまっただろう。