2010年9月26日日曜日

沢木耕太郎の本

いつの頃から彼の書く本を読むようになったのかきちんと覚えていないが、母が買う本の間に沢木耕太郎の名前があった。それが沢木本を読み始めたきっかけであることは覚えている。どの本を最初に読んだかも覚えていないが、一旦読み始めてからは彼の書いたものを一気に気に入り、それから段々と読むようになった。読んでいてここまで違和感の感じない作家はいない。恐らく自分が嫌いだと思うものの考え方、そしてものの感じ方が似ているのだと思う。少なくとも本に書いてあることから判断するには。こういう作家の書く本に出会えた自分は幸せだと思う。そして彼の本を新しく読み始めるたびに、読み終わってしまうであろうことが、どうにも惜しいと思う。ずっとその本の中にいたいと思う。そして時が経ってからも読み直す。それもまた格別。本を開けば、そこに沢木耕太郎の世界が広がり、自分も中に溶け込める。